B型肝炎ワクチン接種お済ですか?B型肝炎は子供から大人まで感染されるリスクあります。

[2015年07月31日]

B型肝炎について
頻度
遺伝子型(Genotype)として、A型~J型まで特定されているそうで、古くから日本で見られていたタイプは主にGenotype B, Cばかりであったそうですが、最近都会でみられる急性肝炎の原因トップはB型肝炎で、その60%以上はGenotype Aで、成人急性B型肝炎の88%は性交渉が原因と考えられています。
世界の人口60億人のなかで、3-4億人がB型肝炎ウイルス(HBV)キャリア。死亡者は120-200万人。日本の正確なデータはわからないが、推定で、130から150万人のHBVキャリア(人口の約1%→日本国民の100人に1人)がいるが実に90万人は自分の感染に気づいていないらしい。(CDCでは日本国民の2~7%がキャリアであろうと推定しています。)
日本では、正確なHBVキャリア調査は行われていませんので、だいたい、40人規模の1クラス内に1人くらい(少なくとも2クラスに1人)はHBVキャリアがいるだろうということになります。
★殺菌しにくい(しぶとい)ウイルス?
以前はなかなか死なないウイルスの定番とされていましたが、それほどでもない事が最近わかりました。とは言っても、エタノール消毒では、80%濃度で2分以上の接触が必要ですし、イソプロパノールでは70%で10分、煮沸では100度で2分以上必要です。また、アルコール消毒では、濃度が低くても、高すぎても、殺菌力が落ちるそうですので、規定の濃度が必要です。
床屋の髭剃りなどで、ディスポーザル(使い捨て)でない剃刀を使用している所はまだまだ多いと思います。私が以前行っていた床屋もコップのアルコールにつけてるだけでした。そのアルコールは規定の濃度で必要以上接触させていたのか? だいたい、アルコールをコップに入れて置いておいたら、すぐに蒸発して濃度は低下します。大丈夫なのか? 怖い話です。
★感染経路
・垂直感染(母子感染)
以前から日本の感染経路の主な原因は、この経路であろうという事で、HBVキャリア母体から出生した新生児に無料で予防策を講じるHBV母子感染予防事業が行われ、95%までは予防出来ています。
・水平感染
圧倒的に性交渉(成人感染の88%)による感染が多く、その他、家族内感染、ピアスの穴あけや入れ墨などで器具を適切に消毒せず繰り返し使用した場合、注射器を共用し麻薬などを注射した場合などがあります。(あくまでこれは、特定可能な原因のみです。)その他、レスラー同士で感染した例や、日本国内報告では、相撲、アメリカンフットボールなどでの集団感染事例もあり、汗も感染源となりうる。汗や、唾液、涙、尿からウイルスが排泄されており、保育園での集団感染例がある。保育園での噛みつき事故で感染しうる。(アメリカでは、保育園児の70%は噛みつかれた経験をもっている。)
また、近年、感染源不明の乳幼児感染が経験されてきています。
★感染した場合
潜伏期は45~160日(平均120日)、発症しても、50%の人は無症状で気づかない。症状としては、不快感、食欲不振、悪心、嘔吐、右上腹部痛、発熱、頭痛、筋肉痛、発疹、黄疸は出る場合は、1~3週続く。疲労感などは、1か月ほど残る。
急性肝炎後でも極めてわずかのHBVは肝臓などに潜伏し、リツキシマブなどの免疫抑制剤投与などで抗体濃度が低下すると、再活性化・重症肝炎(de novo 肝炎)を発症することがある。
感染した人の1~2%は劇症肝炎を引き起こし、その63~93%は死亡する。
3歳未満では、すべての遺伝子型で、感染後キャリアー化しやすい。
CDCにおける年齢別のキャリアー化比率

1. 遺伝子型Aに感染した場合、成人でも約20%が、慢性化し、キャリアーとなる。
2. キャリアーの25%は、肝硬変や肝癌で死亡する。
3. キャリアーの肝癌発生リスクは、一般人の12倍~300倍である。
4. 日本での肝細胞癌による死者数は年間4000~5000人であり、子宮頚癌の年間3000人を上回る。
B型肝炎ワクチンについて
• 接種時年齢が幼いほど抗体の上昇が良い。
接種時期は、身近にキャリアの方がいる場合は、月齢0、1、6がベストであるが、添付文書上、2か月からの接種となっています。ただ抗体価の着き具合は2ヶ月での接種が最も良いと言われていますが、海外では早期感染を恐れて、生直後からの接種開始を行っています。
• 三角筋部分への筋肉注射が皮下注射よりも効果的に免疫を誘導できる。
• 世界で定期接種として、全国民に接種している国は138か国(北朝鮮も!)で、日本のように任意でほったらかしにしているのは、16か国だけ。(またしても日本の厚労省と財務省、やってくれてます)

接種方法
1. B型肝炎の予防
1. 初回:0.5mLずつを4週間隔で2回、
2. 追加:20~24週を経過した後に1回0.5mLを皮下又は筋肉内に注射する。
ただし、10歳未満の者には、0.25mLずつを同様の投与間隔で皮下に注射する。